巴里お別れ会最終日 そのいち

<巴里お別れ会に至る回想録 その4>改め

巴里お別れ会最終日 そのいち



『うわっ!僕は寝たの?! 
 げげっ!もう時間だ!!』




えーっと確か昨日は....

そうそう思い出した!


昨日は店にあるワイン全部飲まれてしまったんだ〜
今日はふだんの仕入れにワインの仕入れ!
たまらなく忙しい日だぞー!








そうだ!今日はヤジッチが来るんだ!



ヤジッチといえば. . . シャンパン!

おお!シャンパンも仕入れねば!













『あれ、どうしたんだ〜頭が痛い!(◎_◎;)  
   これはマズいぞ。ちょっと寝るか〜』


ハードスケジュールに頭痛とくれば. . . 
当然あっという間に夢の中 . . . ZZZZZ





三年間いろいろあったなー
お客様もいろいろあったなー

巴里から何組のカップルがゴールインしたんだろう?!


一番心配だったみかんもおちついたし
カズ&ミホも無事目出たくおちついたし. . . 


そうそう、あの炭水化物ミッキーがゴールインしたのには、とにかく驚いたよなー
まぁ〜皆が口福に笑顔になれたら、それが一番じゃん. . . 








『ぐわああああああああ!!!』

起きたらなんと開店時間だーー!
急げお客様が待っている!!!

プシュー!なんとか場を持たせてくれよー!!!!



そんな感じで始まった最終日。。。

つづく








巴里お別れ会開催に至るまでの回想録 その3

 いよいよ1月27日、巴里お別れ会前夜祭の日がはじまったぜ!!
さあ、今日も気合いを入れてがんばるぞ!



『お客さま、来ませんね. . . .』
『いいんだよ!』
『ええっ!?』
『これが巴里流だ!』

予約時間が19時だったら19時20分に来るのが当たり前!
時間にルーズなのが巴里だよ!

ガラガラガラ. . .
『こんばんはー』



ぞくぞくとメンバーが揃ったのを確認し、第一部みかん誕生日会スタート!
『みかんちゃん、おめでとー!』
『ありがとーございますー!』

今日は古株みかんのために懐かしのメニューでいくよ!
みんないくつ覚えているかな?




ガラガラガラー!
『すいませんー!遅れましたー!はあはあはあ』
デザイナーさんが息を切らして登場する。

『みんなー、注目ー!これから第二部、前夜祭に入りまーす。
その前に巴里から今日集まってくれた皆さんへプレゼントがありますー!』



第二部 巴里お別れ会前夜祭スタート!
前夜祭は泉ちゃんのモノマネから始まった。
そのあとプシューの中途半端な歌。


そしてマーちゃんの『マライヤヒー』が流れ、店の中は絶好調のドタバタ!!

その空気に影響されたのか. . .
『ねーねーオーちゃん』
『なに?あおいちゃん』


『すいませーんムシュー、なんかこの二人が絵本読みたいってー』
『ええ!?何!?絵本朗読してくれるの!?』
『うん!』『これふたりで読むの!』

オーちゃん&あおいちゃんの小学生コンビが前に出てくる。


小さな台の上に乗った小さなふたりが、沢山の大人の前でお抱えシェフ絵本の朗読をはじめる。


あまりの感激におじさん、おばさん達の目から涙が. . .


ではここで、僕からみんなへメッセージです。

前夜祭のみ参加のみなさん、ありがとうございました!
でも、これでお別れじゃないからね!


.....ていうか前夜祭、いったい何時終ったの…??


その4につづく



巴里お別れ会開催に至るまでの回想録 その2

 
2012年1月11日 お昼ごろ
その日、僕はとある打ち合わせの為、珍しく電車で移動していました。
そして、電車に揺られながら『あるメール』の送信準備に取掛かっていました。
この送信ボタンを押したとき、何がどんなふうに動き出すか考えながら。。。



1月11日 17:35
打ち合わせが終わるとゆったりとくつろげる場所に移動しました。
腕時計の針が17時34分から35分に変わったのを見届けると。。


勢いと勇気で、準備していたメールを332名のメール会員様に向けて一斉送信!

メールタイトルは『パリ3周年、そしてお別れ会のお知らせ
premier seson(第一章)に幕を降ろすお知らせです。



すべてを送り終えた瞬間、僕の頭の中には爽快な青空が広がっていました。



送信してから7分後の17:42
メールの送信はわざとみんなが仕事してる時間を狙いました。
だからすぐには返信はこないだろうと思ってたら。。。

ピコーン! 
なんと送信から僅か7分後にすかさず返信が. . .!
『うわっ誰だよ!』



『何?ムシュー、エイプリルフール? 
 取り急ぎ27日28日2名+α 予約お願いね』


一番乗りの予約が入ったのを皮切りに、メールの着信が次々と!




『マズい!電池、後少ししかないじゃん』
僕はあわててiphoneの充電ができる店を探しに走りました。




その後の3日間はメールの嵐!
『巴里お別れ会』のメールを送ってからの3日間、普段では考えられない量の予約メールが朝から晩まで入り続け、あっという間に僕のスケジュール帳は連日予約の文字で埋まりました。



当初、『巴里お別れ会』は28日のみ開催の予定でしたが、こちらもすぐに人数が満杯に!

『ムシュー!28日名古屋から駆けつけます!!』
『え!わざわざ名古屋から!?ありがとうー!!(やばい!もう座る席がないよ!)』


急遽、前日の27日はみかん誕生日会と前夜祭に決定し、前夜祭の27日メンバー、そして最終日の28日メンバーに分けました。
2夜連続開催なら、まだもう少し空きがでると判断したのです。




ナイス判断!と思ったのもつかの間、この両日の空きもすぐ満杯に!
しんじられない!これ以上はもうだめだー!


泣く泣くお断りさせて頂いた方々、本当にごめんなさいー。
まさかこんな凄い事になるとは、さすがの僕も想像してませんでした。


でも、嬉しかったです。
こんなにも沢山の人達が巴里を愛してくれてたなんて。
料理人冥利に尽きるなあ …涙…涙…


 その3につづく

 



巴里お別れ会開催に至るまでの回想録 その1

集まった皆が一斉にワイングラスを掲げる!
沢山の笑顔、皆様からの暖かいお言葉...
この素晴らしいひとときを、僕は一生忘れないだろう. . .



le premier seson en bistroparis
2009年1月28日。
矢口渡にオープンした『巴里 西洋懐石』は、みんなが普通に持っていた『フレンチ』というイメージを一瞬で吹き飛ばすほどの怪しさ全開な外観のお店でした。

サイドの黄色い看板には何故か『串焼き』『串揚げ』の文字。


入り口扉前には桜柄の『のれん』がかかり、たまにその上に被せられるフランス国旗には開催イベントの告知がペタリ。




入り口の引き戸にマジックで書いた『会員制』の札がついたのは、確か2年目くらい。
当時から敷居は高く、一見入り易そうに見えて、実は中々入れないそれが巴里!



手書きでかいた、冗談のような会員制札。
実はここから巴里はお客様と共に更に深く濃く進化していきます。





そうそう!会員さま完全貸切の為シャッター閉めて営業していたら、いきなりシャッター開けて乱入して来たお客さんもいたっけ。

あのときはホントにびっくりしました。さすが矢口!




会員のお客様に連れて来られた新規の人は、大抵お店の外観をみて『何、ここ!?』な顔で入ってきます。
中に入って一番最初に目に飛び込むのは、カウンターと座敷のちゃぶ台!
そのちゃぶ台の上にはナイフとフォーク...ではなく、何故かお箸が並んでる。


気を取り直して店内を見渡すと、壁に貼られたメニューはワインも料理も全てが絵!?
何がなんだか判らぬまま、出て来た料理を食べ進むうち、大抵のお客様は笑顔を浮かべてこう言います。

『何なの!ここは!!!!』


エクセレント!いい反応です!
偏った思い込みをすべて取り去ること!
そしてお客様自身の素の感覚で、僕の料理に向かい合って頂く。


本当に美味しい料理を食べると自然に楽しくなっちゃうでしょ?!
それでいいんです。それが大切なんです。
巴里は料理が持つ真の力に気づいてもらうための『第一章』的な場所だから。



『日本酒』『サワー』で始まった巴里は、『ワイン』『ティオペペ』に変わりました。
最初はアラカルトメニューを注文されていたお客様達が、次第に『ムシューお任せコース』を予約するようになりました。
予約でしか味わえない料理を次々に体験してもらいながら、最後はお抱えシェフ気分の本格的なジビエ料理『ちゃぶ台晩餐会』にまで発展させることができました。


この3年間、料理を通じて沢山の人と出会い、そして色んなドラマが生まれました。
2012年1月28日で3年目を向かえる巴里は、premier seson(第一章)としても円熟期にありました。


その2につづく